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2014年5月

2014年5月 3日 (土曜日)

フランシス&ヘスター本

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 emcaについての重要な本が翻訳されて刊行。デイヴィッド・フランシス&スティーブン・ヘスター『エスノメソドロジーへの招待--言語・社会・相互行為』(ナカニシヤ出版)。原著は2004年の刊行、全訳です。訳者の方々にお送りいただきました。ありがとうございます。

 下はコンテンツ。英国で、学部学生向けに使われている教科書。ていねいです。

 私がエスノメソドロジーの勉強を始めたのは、1980年代の後半からになるんだけれど、その当時は、まだこのヘンな名前の社会学の全貌は明らかだったとはいえなくて、かつ、日本の社会学業界内での広がり方があるかたちのものだったため、いろいろと苦労がありました。その後、ガーフィンケル自身がいくつか論文を公刊して、「ひとつの研究プログラムとしてのエスノメソドロジー」という理解でいってよいことがわかってきたのだが(とはいえ、主流の社会学からみるならば、未だ理解は難しいものであるかもしれない)、いやまあ、たいへんでした(そうしたあたりに関心がある向きには、最終章をどうぞ)。

 そんな経験をもつものからすると、こんなふうに平易に書かれた本の登場は、「感動もの」かもしれないなあ。。。

1章 社会的相互行為、言語、社会
      社会的相互行為
      言語
      社会
      結語

2章 エスノメソドロジーをする
      エスノメソドロジーとエスノグラフィー
      エスノメソドロジーの実践
      エスノメソドロジーの分析の原則
      本書の内容
 

3章 エスノメソドロジーと自己省察
      新聞の見出しを分析する
      テレビニュースの意味を理解する
      結語     

4章 家族生活と日常会話
      朝食をとりながらの会話(1)
      朝食をとりながらの会話(2)
      帰宅する
      結語

5章 公共の場所に出かける
      スーパーへ歩いていく
      歩く
      カテゴリー化と共在
      知らない人と話す
      行列を作る
      結語

6章 助けてもらうためにトークを使う
      自殺――頼りにできる人がだれもいない
      警察に通報すること
      結語

7章 教育を観察する
      大学の講義の組織上の諸特徴
      新入生受け入れ学級でのアイデンティティと相互行為
      教室での権力と権威
      結語

8章 医者にかかる
      医者にかかるという決定
      診療室で
      検診のときに親密性を管理する
      専門家支配の理論
      結語

9章 組織のなかで働く
      組織のなかで働くこと――最初の例
      活動のなかの組織
      ルールを作動させること
      起業家の企業での意思決定
      テクノロジーを作動させる
      結語

10章 科学を観察する
      科学知識の社会学
      社会学と科学の「問題」
      合理主義に対抗する
      エスノグラフィーと実験室科学
      科学をエスノメソドロジーする
      結語

11章 エスノメソドロジーの原初的な性格
      エスノメソドロジーはわかりにくいか
      エスノメソドロジーは「不完全」か
      エスノメソドロジーの「経験主義」
      エピローグ

好評につき延長されていました(emcaフェア)

 紀伊国屋書店本店でのemcaフェア、びっくりしたことに好評だそうで、期間が延長されておりました。5/10までだそうです。せっかくの連休なので、行こうと計画しました。

 そして、今年度は武蔵大学で「エスノメソドロジー」が開講され、受け持っているので(しかも受講登録者が30人を超えているという! もちろんその後少し減りましたが)、これまでコメントペーパーの提出があった方々に、このフェアについてお知らせしたところ。

 小冊子も無料配布だというし、ゲットしよう。

 下記は酒井さんによる企画趣旨。

 そこで何が行われているのか/それは如何にして可能なのか[★]。 ──社会学の一流儀であるエスノメソドロジー(EM)は、このシンプルな問いを丁寧に跡づけていこうとするものです。

  一方でエスノメソドロジーは、研究者がその都度注目している場面において、そこに参加している人たちがどのように──他の局面でも使えるだろう一般的な仕掛けを/しかしその場特有の事情に合わせて用いながら──お互いの行為や活動を編みあげていくかを捉えよう[●]とします(これは、なるべく多数の現象・行為・活動に当てはまる──という意味で一般的な──知見の獲得を目指そうとする通常の社会科学の流儀とはずいぶんと違います)。

  他方でエスノメソドロジーは、取り組んでいる課題★と方針●のシンプルさゆえに、多様な現象に広くアクセスしていける普遍性と柔軟性を持っています(そのせいで書店ではいろんな棚に散らばって置かれてしまうことにもなるのですが。このリストでは狭い意味でEMに属すると判断した書籍には先頭に◎を付けました)。

  エスノメソドロジーのこの特徴は書籍遊猟者たちにも利用していただけるはずです。つまりエスノメソドロジーの様々な研究を手がかりにすることで それが属する本棚にある他の書籍と比較しつつ違いを読むとともに、方針●に乗っかりながら別の本棚にもアクセスしていける、という様に。

  このブックリストは、そうした書店フロア散策のやり方を提案するために作成したものです。(酒井)

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